あいうえお
新井 竹子
おなかに 手を あて
「あいうえお」
むねに 手を あて
「あいうえお」
ほほに 手を あて
「あいうえお」
みじかく きって
「あ、い、う、え、お」
すこし のばして
「あー、いー、うー、えー、おー」
では もう一ど
おなかに 手を あて
「あいうえお」
〃あいうえお〃は
母音 といって、
日本の ことばの 母さんです
雨のうた
鶴見 正夫
あめは ひとりじゃ うたえない、
きっと だれかと いっしょだよ。
やねと いっしょに やねのうた
つちと いっしょに つちのうた
かわと いっしょに かわのうた
はなと いっしょに はなのうた
あめは だれとも なかよしで、
どんな うたでも しってるよ。
やねで とんとん やねのうた
つちで ぴちぴち つちのうた
かわで つんつん かわのうた
はなで しとしと はなのうた。
かえるのぴょん
谷川 俊太郎
かえるのぴょん
とぶのがだいすき
はじめにかあさんとびこえて
それからとうさんとびこえる
ぴょん
かえるのぴょん
とぶのがだいすき
つぎにはじどうしゃとびこえて
しんかんせんもとびこえる
ぴょん ぴょん
ばんがれまーち
阪田 寛夫
ばんがれ
ばんがれ
ばんがれ まーち
さかだち
いっかい
がんばれ まーち
かたつむりは よるがこわいとなくだろか
おおかみは あめがいやだとにげだすか
あめふる
かぜふく
それから てんき
あさくる
よるくる
そのつぎ あさだ
ばんがれ
がんばれ
ことばの けいこ
与田 準一
けっくう けっくう
きゃ きゅ きょ、
かえるが かえると
ことばの けいこ、
けっくう けっくう
きゃ きゅ きょ。
せっすう せっすう
しゃ しゅ しょ、
れっしゃは れっしゃと
ことばの けいこ、
せっすう せっすう
しゃ しゅ しょ。
にぇおう にぇおう
にゃ にゅ にょ、
子ねこは 子ねこと
ことばの けいこ、
にぇおう にぇおう
にゃ にゅ にょ。
ぺっぷう ぺっぷう
ぴゃ ぴゅ ぴょ、
ポプラの はっぱが
ことばの けいこ、
ぺっぷう ぺっぷう
ぴゃ ぴゅ ぴょ。
たんぽぽ
川崎 洋
たんぽぽが
たくさん飛んでいく
ひとつひとつ
みんな名前があるんだ
おーい たぽんぽ
おーい ぽぽんた
おーい ぽんたぽ
おーい ぽたぽん
川に落ちるな
ドレミファかえうた
阪田 寛夫
はじめは ふつうに うたってみよう
ドレミハソラシド ドシラソハミレド
むかしは ふざけて こう いった
ドラネコソラキタ ドシタラヨカロウ
むかしゃ どらねこ いま パンダ
タレメノソダチゾ
クジラジャナケレド
くすりやさんでは こう うたえ
ドレガハブラシダ ドチラモハミガキ
さいごに きどって アンコール
どれみふぁソナチネ
どしらそファミコン
なまけ忍者
─それは もうひとりのぼく─
荘司 武
ぼくの おへやの すみっこに
なまけ忍者が かくれてる
ぼくが べんきょう していると
なまけ忍者の ひくい 声
─ちょっと テレビを つけてくれ
つづきまんがを 見たいのじゃ
なまけ忍者に さそわれて
ぼくも テレビを 見てしまう
ぼくが おそうじ はじめると
なまけ忍者の ひくい 声
─どうせ また すぐ よごれるよ
むだな しごとは やめなされ
なまけ忍者が いるかぎり
なにを やっても ぼくは だめ
なまけ忍者よ おねがいだ
はやく どこかへ 消えてくれ!
ぼく
谷川 俊太郎
ぼくはこどもじゃない
ぼくはぼくだ
ぼくはおとなじゃない
ぼくはぼくだ
ぼくはきみじゃない
ぼくはぼくだ
だれがきめたのかしらないが
ぼくはうまれたときからぼくだ
だからこれからも
ぼくはぼくをやっていく
ぼくはぜったいにぼくだから
なんにでもなれる
エイリアンにだってなれる
ゆき
川崎 洋
はつゆき ふった
こなゆき だった
くつの下で きゅっきゅとないた
どかゆき ふった
のしのし ふって
ずんずん つもり
ねゆきに なった
べたゆき ふって
ぼたゆき ふって
ざらめゆきに なって
もうすぐ 春だ